特定
国子
主文
1 原告の請求を棄却する。2 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1 請求
被告は原告に対し,金12万3278円及びこれに対する平成12年6月27日から支払済みまで年36パーセントの割合による金員を支払え。第2 請求の原因及び原告の主張
別紙「請求の原因」及び「平成14年1月18日付け準備書面」記載のとおり第3 被告の答弁及び主張
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第4 当裁判所の判断
1 請求原因事実については,各弁済額についての利息制限法による制限超過利息の元本充当方法の点を除き,当事者間に争いはない。2 当事者間に争いのない貸付及び弁済の経過は次のとおりである。
(1) 被告は平成8年11月20日(2回目)の約定弁済を怠り,その6日後である同月26日に約定額を弁済した。
その後,被告は平成10年9月18日までの22回にわたり約定額ないしそれを上回る額の弁済を続け,その間,約定の期限を1週間前後徒過したことが数回ある。
(2) 被告は,平成10年9月18日,約定弁済額を大幅に上回る5万9998円を弁済するとともに同日金30万円の追加貸付を受けたが,同11年1月20日(追加貸付後4回目)の約定弁済を怠り,その7日後である同月27日に約定額を弁済した。
その後,被告は平成12年6月26日までの18回にわたり約定額ないしそれを前後する額の弁済を続け,その間,約定の期限を1週間前後徒過したことが数回ある。その後,平成13年12月7日に至って本件訴訟が提起された。
(3) 訴状添付の利息計算表によれば,(1)の期限徒過後の22回(1年10箇月間)及び(2)の期限徒過後の18回(1年6箇月間)の各弁済については,いずれも期限の利益喪失を前提に利息制限法所定の制限遅延損害金利率年36パーセントで充当計算されている。
3 以上の貸付及び借金返済の経過によれば,原告は当初貸付の債務につき期限の利益喪失となった後も22回にわたって約定額の弁済を受領し続け,しかもその債務が完済となる前に追加貸付を行っている。
すなわち,平成10年9月18日の追加貸付は,約定弁済額を大幅に上回る5万9998円の弁済と同一日に行われており,それまでの弁済経過に照らせばこの弁済は追加貸付金30万円によって行われたものと推認するのが相当である。
そうすると,原告は当初の債務の期限の利益喪失後も未返済のままの状態で追加貸付を行ったことになる。
さらに,追加貸付後も4回目の約定弁済を怠り,その後も約定の期限を1週間前後徒過したり,約定額に1000円ないし2500円不足する弁済があるなどの期限の利益喪失事由があったにもかかわらず,平成12年6月26日までの18回にわたり被告の弁済を受領し続け,少なくとも被告代理人から平成12年7月18日付け債務整理開始通知を受けるまでは,期限の利益喪失を前提とした一括請求をした事実は認められない。
4 以上の経過を踏まえると,原告は,期限の利益喪失事由がありながら被告から従前どおりの約定弁済を受領しつつ元本の継続利用を認め,更に追加貸付まで行っているのであるから,少なくともこの追加貸付の時点において,本件の弁済経過における程度の弁済の遅れないし弁済額の不足については遅滞による責任を事実上免責したものと推認するのが相当である。
したがって,原告の主張のような,元本利用期間の大半である前後3年4箇月間にわたって,期限の利益喪失を前提とした遅延損害金利率で充当計算することは信義則に照らして許されないと解すべきである。
さらに,期限の利益喪失事由がありながら一括請求せず異議なく弁済を受領し続けた場合に,元本利用期間の大半である3年4箇月間にわたって期限の利益喪失を前提とした遅延損害金利率で充当計算することは,実質的にみれば利息制限法の脱法的行為の疑いもあり,これを認めることは利息制限法の強行法規としての性格に照らし相当でない。
よって,各弁済ごとの充当計算は,期限の利益を喪失していないものとして利息制限法所定の利息の制限利率年18パーセントで充当計算されるべきである。
年18パーセントの利率で充当計算すると,平成12年6月26日の弁済により,本件債務は完済され金7000円余りの過払い金が生じていることが明らかである。
5 以上のとおりであるから,原告の請求は理由がない。
よって,主文のとおり判決する。
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